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怪奇!! 死んだお人形事件!!

近年私の住んでいる町では、古い民家の取り壊しが頻繁に行われている。

蔵のある家や、塗りこまれたニスの匂いがする木造平屋の家が、解体されているのを見るのはどこか物悲しい。

残しときゃいいのになぁと思う。
ただでさえ見所のない場所なのにな!

更に家だけじゃなく、林や野原もどんどんなくなっている。

以前は、家の前の道路の向かいに広がっていた広大な雑木林も、いつしか伐採されて、公園の駐車場になった。

小学生の頃、同級生と古い装丁のエロ本を発見しては喜んでいた雑木林。

親に捨てられそうになった『珍遊記by漫☆画太郎』の単行本を隠しに行った次の日、狂ったような大雨が降り、結局珍遊記を自らの手で葬り去る結果となった思い出の雑木林。

「僕の虫、いつもクラスの友達のカブトムシに負けちゃうんだ」
「え、お前なんか虫飼ってたっけ?」
「うん、飼ってるよ。ダンゴ虫」

そんな愚弟のために、カブトムシを捕獲しに行った雑木林。

そう言った愉快な思い出が数えるほどしかない、雑木林。


その雑木林になんとも奇怪な物が登場したのは、私がまだ純粋な心を持っていた幼子の頃の事だ。

「ホラ!死んだお人形がいる!!」

いつの日からそれがいたのかは、分からない。

だがいつしか私はその雑木林の一角を通り過ぎる際、父のその言葉を合図に父にしがみついて、その場をやり過ごすようになっていた。

きっかけすらも、覚えていない。


前々から、そういった類の嫌がらせを父には受けてきた。

何かと私が恐がるようなものをわざと持ってきたり、トラウマにならない程度に嫌がる事を仕掛けたりしてきたものだ。※虐待ではない。

父的には、ただ子供が恐がるサマを見て面白がっているだけだったんだろうが、子供からしたら十分「ふざけるな」と言いたくなる様な事ばかりだった。

そんなお茶目な父がある日、雑木林の前を通ろうかという時に

「そういえば、こないだからあそこに死んだお人形が落ちているんだよ。恐いから、見ない方がいいよ」

そう言って、私を抱き上げて歩き出したのだ。


当時、私は三歳。


三歳ほどの子供でも、死という言葉のニュアンスが怖いと知っている。

更に元々生きていない人形が死ぬなんていう事態は、幼児の脳みそ内では想像も出来ないくらい、それはもうとんでもなく恐ろしい事だったのだ。

そして私は人形が恐かったので、余計に死んだお人形に対して恐怖の念を抱いていた。


その日からしばらく、そこを散歩や祖母の家への移動の時に通る際

「今日もまだ死んだお人形いるよ」

父のその合図を聞く日々が続く。

私はオバケ屋敷の中を歩くように、とにかく父の身体で視界を防いでやり過ごす。

ただでさえ恐がりで、「風雲たけし城」(今の若い子は知らないだろうね、ごめん。)の悪魔の館ゾーンでは、必ずストロング金剛を見て泣く子供だった私だ。

死んだお人形の近くを通るという事は、私にとっては結構なイベントだった。


しかし、半月も経たぬある日の事。

「今日はもう死んだお人形いないよ」

突然、父の言葉が恐怖の日々の終幕を告げた。

どうやら、死んだお人形がその一角から消えたらしい。

これでもう雑木林の一角の前を通る時、父を利用しなくて済むのだ。

「死んだお人形、どこ行った?誰かが持っていった?」

尋ねる私に、父が答える。


「歩いてどっかに行ったんじゃないか」


私は泣いた。


そんな事があって、十五年以上が経ったある日の事。

車で公園の駐車場の前を通った時、ふと、死んだお人形の事を思い出した。

「前、この辺に死んだお人形が落ちてたよね」

助手席に乗っていた母に、話題を振ってみる。


母は「お前、死んだお人形の事覚えてるの?」と私に聞いた後


「実はその死んだお人形って、ダッチワイフだったのよ」


ダッチワイフって、大人のアレですか?

オリエントで南極関係の方ですよね。

笑っていいのかスルーしていいのか分からぬ私に構わず、母の追撃が来る。


「Kちゃん的に(※母は父をちゃん付けで呼ぶ)幼児にアレを見せちゃまずいと思ったから、お前が恐がりそうなネーミングを付けて、あの付近を通る時にお前に見せないようにして通ってたんだって。あんた、今はもう大人だから言えるけど」


幼児があれ見ても、プールに浮かぶおもちゃくらいにしか思わないだろうに。


「口パカーン開いてるし、どうしようかと思ったって」


ああ……ビニール製のだったんだ。

確かにあの時代には、リアルなラブドールはまだ出現してなかったと思うけど。

「ああ、ビニール製だったんだ」とコメントすると、母はきょとんとした顔で


「え? ビニール以外にも、何か種類があるの?」


ごめん母さん、脳内が汚れきった人間に育ってしまって。

ちなみにラブドールは、使用した後はベビーパウダーを散布してケアするそうです。

私の心より、きっとラブドールの股間の方が繊細だネ。どうでもいいね。

自分の持つ曖昧な記憶の真相の中には、知らないでおいた方がいい事もある。

だがその中には、曖昧なままでも、ハッキリさせても、いずれにしてもしょーもない記憶も混じっている。そして物語性のない人生を送っているせいなのか、私の持つ曖昧な記憶は、かなりしょーもない率が高い。

思い出の美しさと、思い出の裏に潜む真相のギャップにげんなり。という事が多いのは、私に物事を見抜く目がなかったからなんでしょうか。

でも、ダッチワイフとか知ってる三歳児いたらヤダヨネ。


それより、元来下ネタを口にしない雰囲気の母から「ダッチワイフ」という言葉が出た事が、結構衝撃だった。

とりあえず近々、オリエント工業のショールームにも侵入したいですね。ジュエルシリーズのアリスたん萌え。
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2010-06-27 08:13 : 雑記 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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